FIREを目指す人必見!証券担保ローンとは?投資信託や株を売らずに資金を作る方法

資産運用

これから資産運用を始めたい方、そして将来に向けて「FIRE(Financial Independence Retire Early/経済的自立と早期退職)」を目指している方へ――。資産を守りながら必要なときに現金を作る手段を知っておけば、より豊かな人生につながります。

例えば、あなたが株式や投資信託を保有していて含み益がある状態だとしましょう。売却すれば確かに現金化できますが、売却益には税金(譲渡所得)がかかります。また、売却することは資産を手放すことでもあります。これでは「資産を増やしていく」という運用の流れから外れてしまう可能性があります。

そんなときに役立つのが、保有中の株や投資信託を 売らずに担保にして資金を借りる という仕組み、いわゆる「証券担保ローン」です。資産を保有し続けながら流動性(手元資金)を確保できるため、FIREを目指す投資家にとっても有効な戦略になり得ます。今回は証券担保ローンについて、仕組み・メリット・リスク、そして特に日本で代表的な商品である「野村Webローン」を利用した実体験も交えながら解説していきます。


証券担保ローンとは?

証券担保ローンとは、あなたが保有する株式・投資信託・債券など有価証券を担保として提示し、その担保評価額を基準に 資金を借りられるローン制度 です。株式などを売却せずに現金化できる点が大きな特徴です。

具体的なポイントを整理すると次の通りです。

  • 保有中の株式・投資信託・債券などを担保として、金融機関(証券会社・信託銀行など)に差し入れ。

  • 担保評価額の一定%(例えば50〜70%など)を上限に融資が可能。

  • 売却せずに資金を得るため、「含み益」はそのまま保有中の資産に留まる。

  • 売却による課税(譲渡所得税・住民税)を回避あるいは先送りできる可能性あり。

  • 返済方法や金利タイプ(変動金利/固定金利)等、契約条件は商品によって異なる。


メリット:証券担保ローンが注目される理由

投資初心者の方や、FIREを目指す方が証券担保ローンを注目する理由はいくつかあります。以下、主なメリットを整理します。

1.売却益に課税されない(税金の繰延効果)

保有中の株式や投資信託を売らずに担保にすれば、譲渡益課税が発生しません。つまり「含み益」を確定させずに、資金を確保できる可能性があります。
例えば、投資信託の評価額が100万円、含み益が20万円ある場合、これを売却すると20万円に対して約20%(税金約4万円)の課税が発生します。一方、証券担保ローンで評価額の60%である60万円を借りれば、税金を払わずに現金を確保できるというわけです。

2.保有資産を維持しながら流動性を確保できる

株や投信を売ってしまうと「これからの伸び」を取り逃がすリスクがありますが、担保にして借りる形であれば、資産そのものは保有し続けられます。運用を続けながら必要資金を得るという選択が可能です。

3.自由な返済設計と短期利用の柔軟性

多くの証券担保ローンでは、定期的な元本返済の義務がなく、自由に返済計画を立てられる点が魅力です。さらに、住宅リフォームや教育費、事業資金など一時的な資金需要にも柔軟に対応でき、短期的な資金繰りに最適です。
例えば、野村Webローンでは定期的な元本の返済日や返済額はなく、お客様のご都合に合わせて返済プランを立てられます。

4.FIRE生活の「予備資金」として活用できる

FIREを目指す場合、「取り崩しはなるべく避けたい」「資産を守りながら運用を継続したい」という思いが強くなります。その意味で、保有資産を売ることなく流動性を得る証券担保ローンは、予備の資金確保手段として有効です。


デメリット・リスク

ただし、メリットだけではなく、しっかり「覚えておきたいリスク」も存在します。特に投資初心者で資産形成の途中にいる方や、FIREを目指している方にとっては、負荷を大きくしないためにも慎重な判断が必要です。以下、主なデメリットを整理します。

1.担保割れ・追加入金リスク

担保となる有価証券の価格が下落した場合、融資額に対して担保価値が不足し、追加担保の差し入れや入金を求められる場合があります。さらに基準を大きく下回ると、金融機関が担保資産を自動的に売却し、融資元本や利息に充当される可能性もあります。
例えば、100万円の投資信託を担保に60万円を借入している場合、相場が20%下落して評価額が80万円になると担保率は75%となり、証券会社の基準を超えると5〜10万円の追加担保を求められることがあります。もし相場がさらに30%下落して評価額が70万円まで下がれば、強制売却により借入金の返済に充てられるケースもあります。

2.金利上昇による返済負担増

証券担保ローンは低金利というメリットがありますが、金利が変動制で上昇する可能性があります。
例えば、年1.9%の金利が将来的に3.0%まで上昇した場合、100万円の借入で年間支払利息は1.9万円から3万円へと約1.1万円増加します。金利上昇によって借入コストが増え、投資収益とのバランスが悪くなるリスクがあります。

3.長期利用はコストがかさむ

借入金額・期間が長期化すれば利息負担が積み重なります。さらに、資金を借りた後に適切な運用ができなければ「借りた資金の利息>運用益」という逆転になりかねません。

4.対象銘柄・最低利用額・審査の条件が証券会社で異なる

担保対象銘柄の可否、担保評価率、借入限度額、契約更新条件、使途制限などが金融機関によって異なります。自分の保有資産が担保対象になるかどうかの確認が必要です。


【比較】主要証券会社の証券担保ローン(2025年時点)

注:掲載している金利・条件は2025年時点のものであり、今後変更される可能性があります。利用前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。

証券会社 商品名称 融資上限 適用金利(変動型) 借入額 利息支払
野村證券 野村Webローン 評価額の
50〜80%
年1.90% 10万円~5,000万円 借入元本に組み入れるため不要
SBI証券 コムストックローン 評価額の
60%
年2.4%〜4.4% 30万円~5,000万円 毎月口座振替
楽天証券 証券担保ローン 評価額の
60%
年1.875%~3.875% 1万円~1億円 毎月口座振替

【実体験】野村Webローンを使ってみた感想

私自身、保有していた投資信託や株式を売却せずに「流動性を確保したい」という思いから、野村Webローンを活用しました。以下、そのプロセスと実感した点をシェアします。

選んだ理由

  • 野村證券という信頼性の高い証券会社・信託銀行のサービスだったこと。

  • 金利が年1.9%(変動)という非常に低水準だったこと。

  • 手続きがオンラインで完結、かつ「売却せずに資金を借りる」という仕組みが明確だったこと。

  • 契約・利用において「保有資産をそのまま維持できる」という点で、運用を継続しながら資金準備ができるという安心感があったこと。

実際の手続きの流れ

  1. 野村證券の口座を開設(保有有価証券を野村證券に預入)

  2. 野村信託銀行の口座を開設(担保設定・借入先として)

  3. 野村Webローン契約申込(オンライン申請) → 通常3営業日程度で契約完了。

  4. 借入申請(野村信託銀行) → 最短で即時振込入金されるケースあり。

使ってみて感じたメリット

  • オンラインでの申込みと、必要書類も少なめだったため、面倒な手間が少なく手続きがスムーズ

  • 運用中の資産(株・投信)を保有し続けながら、必要な時に資金を確保できるのは大きな安心材料。

  • 年1.9%という金利は、他のローン商品と比べてもかなり競争力あり。返済スケジュールの縛りも少ない点がメリット。

注意しておきたい点

  • 担保余力(保有銘柄の評価額・掛目)がどれくらいあるか、常に把握しておくこと。

  • 借入を長期化させないこと。金利負担が積み重なるため、使途・返済計画を明確にしておく。

  • 借入した資金を運用してリターンを出すという戦略に走りすぎないこと。あくまで「保有資産を売りたくない/すぐには売りたくない」時の流動性確保手段として位置づけることが重要。

結論としては、「短期的に資金を確保したいけれど、投資信託や株を売りたくない」または「FIREに向けて資産を温存しつつ、変動に備えて手元資金も持っておきたい」方にとって、野村Webローンは非常におすすめできる手段だと感じています。


どんな人に向いている?

  • 保有資産(株式・投資信託)をできるだけ売却せずに、必要なときに資金を確保したい人。

  • 資産運用を継続しながら、手元の流動性(予備資金)を確保しておきたい人。

  • FIREを目指しつつ、投資を取り崩すのをなるべく先送りしたい人。

  • 低金利環境を活かして、借入コストを抑えつつ資金を有効活用したい人。

  • 短期間の資金需要(リフォーム、教育費用、ライフイベント)などが想定される人で、長期的な借入・返済の拘束を避けたい人。


利用時のポイントと注意点

金利負担を考慮し、短期利用を前提に設計する

借入期間を3〜6か月など短期に設定し、目的達成後は早めに返済することで利息負担を抑える

担保余力を定期的にチェックする

月1回は評価額を確認し、相場下落による担保割れを防ぐ

利用目的を明確にする

生活費・教育費・事業資金など用途を限定しておくと、返済計画が立てやすくなる。

契約条件・使途制限・担保対象銘柄を確認する

NISA口座内の資産は担保にできない場合が多いため、事前に対象銘柄を確認しておく。


まとめ

保有資産を売らずに資金を得る――という選択肢を持つことは、FIREを目指す長期投資家にとって大きな意味があります。特に、資産をなるべく手放さずに「次のステップ」に進みたい方など、「予備資金」を確保しておきたい方にとって、証券担保ローンは非常に有効な手段です。

私自身の実体験として、野村Webローンを利用することで、「保有投資信託・株をそのまま維持しながら、必要な資金を借りる」ことができ、運用を中断せずに資金確保ができたことに満足しています。

ただし、くれぐれも「借りやすさ」「低金利」だけに飛びつかず、担保評価・金利・返済計画・資産の価格変動リスクなどを冷静に判断することが重要です。適切な使い方をすれば、証券担保ローンはFIREに向けた資金戦略の心強い味方となるでしょう。

ぜひ、あなたの「豊かな人生」実現に向けて、今回解説した仕組みをぜひ自分のプランに組み込んでみてください。記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

※本記事は執筆時点の情報に基づいており、条件変更の可能性があります。利用前に各証券会社の公式サイトで最新の金利や条件を必ず確認しましょう。

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