今、多くの方が新NISA制度を活用して資産形成を進めたいと考えています。その中でも、「毎月10万円以上を安定的に積み立てたい」とお考えの方が増えてきました。
しかし、投資初心者にとっては、「給与が指定口座に振り込まれるから住信SBIネット銀行への資金移動が面倒」「振込手数料がかかってしまう」「積立の設定が複雑そう」など、実行にあたって障壁を感じることも少なくありません。
そこで今回は、SBI証券と住信SBIネット銀行のサービスをうまく組み合わせることで、住信SBIネット銀行が給与振込口座でなくても、毎月10万円以上を完全自動でNISAに積み立てる方法をご紹介します。
この記事を読めば、どんな銀行を給与口座にしていても「手間なく」「確実に」「放ったらかしで」積立投資を継続できる仕組みを構築することができます。
実際、私自身も手動で資金を移動していた頃は、毎月決まった日に給与振込口座にログインして住信SBIネット銀行に振り込みを行い、SBI証券側の積立日とズレていないかを確認する作業が面倒で、追加投資が続かない大きな要因になっていました。
ですが、今回紹介する仕組みを使うことで、毎月の手続きを気にすることなく、まるで“水道の蛇口から資産が育っていく”ような感覚で投資を続けられるようになりました。
それでは、具体的な方法を一緒に見ていきましょう。
月10万円以上の積立、どうする?
以前の投稿では、SBI証券と三井住友カード(NLカード)を使って、月10万円までのクレカ積立の方法を解説しました。クレカ積立は、積立額に応じてVポイントが還元される仕組みで、例えば0.5〜1.0%のポイント還元が得られるため、実質的に投資効率を高めることができます。特に長期的に見ると、この還元分も資産形成に寄与するため、非常に効率的な投資手段といえます。
ですが、新NISAではつみたて投資枠だけでも年間120万円(月額10万円)、成長投資枠と合わせて年間360万円(月額30万円)まで投資できます。つまり、月10万円以上の積立を検討する場合、クレカ積立だけでは足りません。
そこで重要になるのが、SBI証券口座からの銀行引落による自動積立。この仕組みを使えば、最大月30万円までを完全自動で積み立てるシステムを構築することができます。
自動積立の全体像
給与振込口座が住信SBIネット銀行以外(例:三菱UFJ銀行)の場合、投資のたびに自分で資金を移動するのは非常に手間がかかりますし、うっかり忘れてしまうと積立が実行されないというリスクもあります。
しかし、SBI証券と住信SBIネット銀行の機能をうまく組み合わせれば、こうした面倒をすべて解消し、自動で資金が移動し、そのまま投資信託の買付までが完了する理想的な仕組みを作ることができます。
具体的には、他行からの「定額自動入金」、普通預金からハイブリッド預金への「定額自動振替」、そしてSBI証券での「自動積立」の3ステップを組み合わせるだけで、完全自動化された積立投資システムを実現できます。
ステップ1:定額自動入金(他行→住信SBIネット銀行)
住信SBIネット銀行の「定額自動入金」サービスは、他行から住信SBIネット銀行へ資金を自動で移動してくれる便利な機能です。このサービスを利用すると、毎月決まった日に指定金額が自動で引き落とされ、住信SBIネット銀行の普通預金口座に着金します。
この仕組みは、いわば“引越し先で自動的に荷物を受け取ってくれる宅配サービス”のようなもの。自分が操作する必要がなく、しかも手数料は無料。資金移動のミスや忘れを防ぐ点でも、投資初心者にとって非常に心強い存在です。
このサービスを使えば、給与振込口座が三菱UFJ銀行やみずほ銀行など他行にあっても問題ありません。毎月の給与日や投資積立日を考慮してスケジュールを設定することで、資金をスムーズに投資へとつなげることができます。
例えば、給与日が毎月25日の場合は、翌月5日を定額自動入金の引落日に設定し、さらにその4営業日後の着金を見込んで10日以降を積立日に設定すると、スムーズに流れを構築できます。
項目 | 内容 |
---|---|
手段 | 住信SBIネット銀行の「定額自動入金」サービス |
設定方法 | 住信SBIネット銀行アプリ/WEB →「定額自動入金」メニューから設定 |
対象銀行 | 全国ほぼすべての金融機関(例:三菱UFJ銀行) |
タイミング | 毎月5日・12日・20日・26日から選択可能(着金は4営業日後) |
手数料 | 無料 |
自動化度 | 完全自動で着金 |
私の場合、会社指定で給与振込先は三菱UFJ銀行でした。銀行を変更するのは現実的に難しかったため、この「定額自動入金」は非常に便利な機能でした!
ステップ2:定額自動振替(普通預金→ハイブリッド預金)
住信SBIネット銀行の「定額自動振替」サービスは、住信SBIネット銀行の普通預金からハイブリッド預金へと毎月決まった金額を自動で振り替えてくれる機能です。このサービスを利用することで、普通預金に入金された資金を、SBI証券での投資に利用可能なハイブリッド預金にスムーズに移動させることができます。
ハイブリッド預金とは、SBI証券と連携している預金口座のことで、この口座に資金があると、SBI証券での投資信託の買付資金として自動で使われます。通常の普通預金よりも金利が高めに設定されている点も特徴で、資金の有効活用が図れる仕組みです。つまり、あらかじめ振替日と金額を設定しておけば、銀行口座と証券口座間での資金移動を完全自動で完了できるのです。
注意点としては、振替日当日に普通預金の残高が不足していると、自動振替が失敗してしまう点です。積立日と連動するように、振替日を調整しておくのがポイントです。
項目 | 内容 |
手段 | 「定額自動振替」サービス |
設定方法 | 住信SBIネット銀行アプリ/WEB →「振替・定額自動振替」から設定 |
振替元 | 普通預金(前ステップで入金された口座) |
振替先 | ハイブリッド預金(SBI証券と連携) |
タイミング | 毎月指定日で自動実行可能 |
注意点 | 普通預金残高不足だと振替失敗。引落日の調整がカギ |
自動化度 | 一度設定すれば毎月自動で実行 |
ステップ3:SBI証券での投信積立
SBI証券の「投信積立」サービスは、あらかじめ設定した金額とスケジュールに従って、自動的に投資信託を買い付けてくれる機能です。このサービスの大きな魅力は、毎月の積立を手動で行う必要がなくなる点にあります。
ハイブリッド預金に資金が入っていれば、SBI証券が設定日に自動で引き落とし、指定したファンドを購入してくれます。積立の頻度は「毎月・毎週・毎日」から選ぶことができ、自分の投資スタイルに合わせた柔軟な運用が可能です。
また、Vポイントを使って投信を購入できる「ポイント投資」や、クレジットカードと併用することでポイント還元も受けられるといった多様なオプションも魅力のひとつです。特に投資初心者にとっては、仕組みを一度整えてしまえば、その後の運用が非常に簡単になる点で、安心して始めやすい仕組みといえます。
項目 | 内容 |
手段 | 「投信積立サービス」 |
設定方法 | SBI証券 → 投資信託 → 積立設定(毎月/毎週/毎日) |
引落口座 | ハイブリッド預金(自動連携済) |
自動化度 | 完全自動で引き落とし&買付 |
補足 | クレカ積立やVポイントとの併用も可 |
私はこれらを組み合わせることで、毎月30万円のNISA積立を完全自動化することに成功しました。
自動化のポイントと注意点
内容 | アドバイス |
積立日 | 毎月10日など、資金移動の完了後に設定すると失敗防止に◎ |
残高不足リスク | 普通預金の残高通知をONにしてリスクを回避 |
柔軟な金額調整 | ハイブリッド預金への振替額と積立額を一致させる or 少し余裕をもたせる |
Vポイント連携 | SBI証券の「Vポイント利用サービス」で投信買付に使う |
完全自動化のための初期設定3つ
ステップ | やること | 所要時間(目安) |
① | 定額自動入金設定(住信SBIで給与口座の引落) | 約5分 |
② | 定額自動振替設定(普通→ハイブリッドへ) | 約5分 |
③ | 投信積立設定(SBI証券で金額・日付など) | 約10分 |
これで合計20分の設定を済ませれば、”完全放置型の長期投資”が可能な仕組みが整います!なお、完全自動とはいえ、年に1回程度は運用状況や積立設定の見直しを行うことをおすすめします。市場環境やライフスタイルの変化に応じて、柔軟に対応できる体制を維持することが、長期投資を成功させるカギです。
実際に使ってみた感想と変化
私自身、給与振込口座から住信SBI銀行への手動振込には毎月手数料がかかるのがネックでした。しかし、上記の仕組みを整えたことで、手数料ゼロ、かつ完全放置で投資信託の積立が可能になりました。
さらに、毎月給料の一定金額が自動で投資に回るため、自然と残りの金額でやりくりするようになり、生活費の見直しにもつながりました。
「ついつい使ってしまう…」を防ぐには、先取り投資で強制的に資金を動かす仕組みが一番効果的だと実感しています。これは、よく言われる“先取り貯金”や“自動引き落とし”と同様に、手元にあると使ってしまうお金を自動で別の用途に振り分けるという家計術と共通していますが、投資を通じて資産を成長させるという点で、より大きなリターンが見込める点が特長です。これらを併用すれば、支出管理と資産形成の両面で効果が期待できます。
まとめ:放ったらかし投資で豊かな人生へ
月10万円以上の積立を考えるなら、クレジットカードと銀行引落を併用し、SBI証券×住信SBIネット銀行の連携機能をフル活用しましょう。
この組み合わせを利用すれば、クレカ積立でポイントを得ながら、銀行引落によりNISAの上限である月30万円までの積立を完全自動で実現できます。ポイント還元や自動化による手間削減、そして確実な投資実行は、日々の忙しい生活の中でも資産形成を着実に進めるための大きな武器になります。
簡単な設定を一度済ませるだけで、将来に向けた資産形成を「自動で」「確実に」、そして「継続的に」進めていくことができます。
最初の数ステップさえ乗り越えれば、あとは完全放置型の投資生活の始まりです。あなたの未来に向けた一歩を、今日この瞬間から踏み出してみませんか?